夏へのトンネル、さよならの出口
概要
audibleで読んだ(読んだといっていいのかは微妙)
夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。 それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。 その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。 最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。
最初から妹が死んでる設定である。
感想
流石に子供であっても「ウラシマトンネルを利用すれば妹が生き返る」なんて展開を考えることはないだろうし、実際妹は生き返らない。が、まあ妹には会える。
ただ、元から聡明だったという設定ではあるものの亡くなった当時のまま、10歳の頃の妹と17歳の高校生が一時兄妹関係を取り戻そうとする為妹ものというよりは単純なロリコンもの…みたいな感触で再開シーンが描かれていることには注意。
失ったものを取り戻そうとしてまた失う、けど大事なものは手に入れた…みたいな話であるため読了感はそこそこ切ないかもしれない。(まあ、ヒロインとハッピーエンドにはなるのでそこまで切ないわけでもないか)
んじゃこの作品は最初から兄妹もの好きのために作られているわけじゃないのかよ! というとそうでもなく、実は「ウラシマトンネルから持ち帰れるものは一つ」という後付け制約的なものが<実は妹を持ち帰るルートもあったのではないか>という妄想を掻き立てられるというのはある。(実現はしないのではあるが)