概要

これは本来あらすじから実妹ではないと分かるのでピックすべきものではないが、audible版を聴いたのでメモ。

兄妹、とあるが妹は「遺跡から掘り出した神的な存在を便宜的に妹と呼称した」だけで妹成分すら薄い。主人公と妹（便宜上）の関係は正確には師匠とデシコである。

兄妹作品なのか？　と聞かれると兄妹作品ではないのだが、なぜタイトルに兄妹を冠しているのかは謎。

感想

audible版だからこそ限定の話だと思うが、本作品に登場する遺跡調査などなどをしている「トオル（苗字は本作では明かされない）」の語りがとても堂に入っていてゾクゾクくる。

クール系女子でいわゆる素直クールというキャラに属するのだと思うけど、「やはり人類は滅ぼさねばならない」というようなクールの中に感情が入った何とも言えない清濁混ざり合った声の演技がすごく良い。饒舌であることもポイントが高い。

シナリオ的にはファンタジーというよりは和神信仰ものっぽい。主人公の設定が「詩人」というのはおそらく百人一首だったり古文の衒学的な知識で楽しめるような作品を志向したのかもしれないが、少なからず１巻では特に活かされずに終わっている。

掛け合いが楽しい作品ではあるので兄妹ものではなくてもそこそこ楽しめるかもしれない。