平浦ファミリズム
概要
ファミリーというタイトルからするに家族もので兄妹ものとも言い切れない部分もあるけど、 あらすじからは妹の存在が見えたのでピック。audibleにもあるタイトルなので聴いてみる。
感想
見た目からは判別できないが、家族小説であるとともにITエンジニア小説だった。 どうやら作者がその筋の人間であるらしく、高校生でありながら7000万円の貯蓄をこさえられる主人公の男の子が「天才的能力を持った技術者」というのが、萌えとは別に刺さる人には刺さるかもしれない。
さて妹ものだけれども、audibleでは加藤英美里さんが配役されている通り、可愛らしいキャラで描かれており「引きこもりで、家族以外とはコミュニケーションを取らない」ためブラコンとは行かないまでも兄との距離は近い。 アニメ好きで徹夜アニメ鑑賞会を開くこともしばしばというので、なかなかイケてる距離感の妹である。 そして、この妹専用のエピソードもあるため、妹目当てにこの作品を読んだり聞いたりしても特に損することはないだろう。
ただ、本作品は全般的にはほんわかした家庭ものというよりは「機能不全家族」の一形態とも言える作品になる。 家族は全員家族以外の社会からいわば除け者にされている存在である。それらを軸に話が進むのであるから…… それなりに気をつけられたし。
